アテローム

アテロームとは別名・粉瘤（ふんりゅう）というもので、皮膚の下にできる腫瘍の一種です。通常皮膚から剥げ落ちる垢や角質等の老廃物が、皮脂が嚢腫（のうしゅ）という袋の中に溜り、皮膚の正面上に数ミリから数センチの「おでき」として現れます。

最初は皮膚の下で「しこり」として認識されるのですが、嚢腫自身も角質を生み出すので次第に膨れ上がりだいたい半球状に現れてきます。

良性腫瘍ではあるものの、皮膚の下で袋が破れると赤くはれ上がり痛みを伴います。

またアテロームの中心には開口部があり、圧迫するとここから異臭と共にドロドロした物質が出てきます。この開かれた開口部より菌が入ると、化膿し炎症を起こし袋が破れると同じく痛みと赤い腫れ、大きいものだと高熱が出る場合があります。

アテロームは全身のどこでもできます。胸部や腹部などで小さいものは、すぐに処置をしなくても問題はありませんが、顔や頭部にアテロームが出来た場合は、大きくなる前に手術をした方がいいものです。というのも、特に頭は血管も圧迫させますので、アテローム出来てしまうと脳梗塞になってしまう恐れもあります。これを「アテローム血栓性脳梗塞」と言います。

アテロームは誰にでもできるものなので、身体にしこりがある人はちょっと気にしてみた方がいいかもしれません。気になったら皮膚科に行くと摘出して病理検査をしてもらうことが出来ます。

また出来てしまったときは、無理に潰そうとしてはいけません。炎症を起こすと袋をきれいに摘出することが出来ないので注意したほうがいいです。