アテローム

アテロームへの経過には諸説あります。一つは度重なる毛根への刺激により毛包が毛漏斗に変異してしうというものです。毛漏斗とは、毛穴を構成している毛包器官の一部で、皮脂腺へとつながっていて毛穴、皮脂分泌、ニキビの発生などに影響を与えていると言われる器官です。

この類型のアテロームを毛漏斗嚢胞といいます。一方うっかり皮膚に傷を付けてしまった際、十分な治療を行わなかったために、表皮や皮膚付属器の基底細胞が真皮内に封入されて生じる場合もあります。これを外傷性粉瘤等といいます。しかし、何故袋が出来、その中に老廃物が溜まってしまうのか、その原因について明確な答えがないというのが現状です。

従いまして、憶測の域を出ないものではありますが、①皮膚に付けた傷が起因して皮膚腺が異常を来したため②精神的抑圧（ストレス）により抗体（免疫）力が低下したため　③外傷に起因して皮膚下部に表皮細胞が定着するため、等が挙げられます。

また生まれつき嚢胞をもっているといった場合もあります。この嚢胞とは、組織内に病的に形成された液状成分を持ち、液状成分周囲を固有の単層上皮に覆われている球状の嚢状物を指します。殆どの場合良性であり放置しても害はないとされていますが、拳大にまで肥大化したものや、そうでなくとも行動に支障が出るが大きさになったり、周りの臓器にまで浸潤してしまったものは手術で全摘します。

また稀にですが悪性の癌に変化するものもあるので、医師による早期の受診は欠かせません。