アテローム

アテロームは悪性でなく、所謂良性の腫瘍です。が、放っておいてもいいわけではありません。放っておくと多くの良性のポリープが癌化しかねないように、アテロームも例外ではないのです。

少しずつ大きくなり、見た目にも分かり鬱陶しく感じられるには数年かかるのが普通ですが、急激に肥大化するケースもないわけではありません。ですから、できるだけ小さいうちに手術で除去することが第一です。

中に溜まった老廃物を吸引して小さくする方法もあるようですが、袋ごと取り出さないと、老廃物が残留し、何度も再発を繰り返すことになりますので、やはり早めに除去してしまうのが最も安心安全な処置といえます。

またそのまま看過し細菌が入り込むと内臓やリンパ管への感染症を引き起こし、最悪の場合、死に至らしめる場合もあります。さて手術ですが、患部周辺の局所麻酔で行います。意識ははっきりしていて、除去されつつある患部部分の皮膚が引っ張られるような感じがしますが、痛みはありません。

術後は患部や再発予防のためにその周辺の組織をも除去している関係から、痺れや無感覚な状態が当分続きますが、再発して感染症のリスクに触れ、癌化の恐怖に苛まれるかもしれないことを思えば何でもありません。

何よりも周囲から見て何の違和感もない“正常な体系”になった自分を思うと、何とも言えない喜びがひしひしと湧き出てきて、心も姿勢もより前向きになったようだと嘗てアテロームの手術を経験した弟は言っていました。