アテローム

比較的スローペースで肥大化するアテロームですから、どうしてしこりが・・・？と、遠い昔に起こしたきっかけをすっかり忘れてしまい、異様な不安感に襲われることもあります。そうしますと大抵の人は、怖いもの見たさの心境に似て、インターネット等で癌のことを調べたりします。しこりを手で摘まんで動かそうと左右に振ったとき、比較的スムーズに動くことが確認できると、大きな安心感に包まれます。癌ではないと安堵するのです。その上痛みもありませんので、自らの手で消毒針等を刺して中身の正体を見てやろうといった不心得者がいたりします。しかしこれは非常に危険です。針から、あるいは針を刺した微細な穴から細菌が入り込むことがあります。これはほぼ確実と思った方がいいでしょう。大抵は消毒した手や、滅菌された部屋で行うわけではないですから、まず感染する可能性は疑いのないところといえましょう。こうして細菌が入り込み感染症を引き起こすとしこりは更に腫れ上がり痛みを覚えるようになります。しこりの中に膿が溜まり、最悪の場合、皮膚がんに発展する可能性を孕んでいます。確かに自分で中身を出したときは、しこりは小さくなった気がしますが、皮膚下に広がる袋状の広がりと中身そのものを完全に除去しない限り、何度も繰り返します。このような現象が先述した皮膚癌発生の可能性を高めるのです。ですから、外科居等を訪ね、根元から完全に除去してもらうよう、外科手術を受けることが最善策だといえるでしょう。