アテローム

初期の頃のアテロームは、外見上隆起することなく皮膚の下でごく小さなしこりがあるだけです。この為多くの人は気付きませんこれが目立つようになるまでには、比較的長い時間かかります。首の後ろや背中等、普段外見に晒させる部位と髪の毛で隠れる頭部等ではその目立ち方にも差が出ますし、実際大きくなる速度も部位によって異なるようです。

ここでは頭部のしこりの例を挙げますが、髪の毛の厚さでごまかせなくなるには７～８年程かかったと知り合いの彼は言います。老廃物の隆起部分は比較的柔らかく、で動かすと左右に滑ります。これは悪性腫瘍等と違って根がいないからです。

さて、通常痛みがないこのアテローム、柔らかいから、消毒針等で突いて中身を出してしまえば元通りになるかもしれない…としこりの中身を出してはいけません。細菌が入り込み感染症を引き起こす原因を作っていまいます。
こうなると痛みを伴うようになります。加えて悪臭の老廃物が流れ出て非常に不愉快です。

更に細菌に感染したアテロームが皮膚下で破裂して膿が体内に流れ出してしまうこともあるのです。このような事態になると、内臓やリンパ管等に炎症を引き起こし、最悪の場合死につながることもありますので、たかがアテロームと軽んじてはいけません。

大事なことは自らなんとかしようとせず、必ず皮膚科や外科の医師の治療に委ねることが何より大切です。他の疾病と同じですね。