アテローム

一般に痛みはなく、生命にかかわる重大な疾病等ではないアテロームは、即時切除しなければならないといった類のものではありません。また中心の微細な黒点（というか“穴”ですが）から細菌等が混入すると感染症をおこし赤く腫れ痛みを伴えば、もとより手術はできませんので抗生剤を服用しまずは炎症を鎮めます。

しかし肥大化してきて、見た目にも、そして行動するうえで支障が出てきたら、全摘手術をすることになります。このとき袋ごとは勿論、万が一のことを考えて、皮膚下の取り出した袋の周辺の組織も除去したりします。完全に取り除かないと再発することになり、最悪の場合癌化する可能性もあるからです。

アテロームの全摘手術は皮膚科や形成外科では珍しい手術ではなく、また手術自体もそれほど高度な技術を必要とするわけではありません（周囲の組織に癒着した場合はそれなりの技術が要求されますが）。従って再発のリスクを考えれば、もっとも安心・安全な全摘手術を受けることです。一般に小一時間もあれば終わります。

また局居麻酔なので、肥大化の程度や皮膚下の組織との癒着如何にもよりますが、日帰りも珍しいことではありません。先ほど肥大化してきて行動するうえで支障が出てきたら手術・・・と言いましたが、目に見えない皮膚下で、多少でも袋が破れ、老廃物が体内に滞留してしまっていることもあります。

そうすれば内臓やリンパ管への感染症を引き起こし、死に至らしめることもありますので、やはり、そうなる前に、医師に全摘手術を願い出た方が賢明ではないでしょうか？